ホキ美術館

 写実絵画を展示している出来て間もない美術館、千葉の「昭和の森」に隣接している。

 土気駅からバスが出ているのだろうけど、アクセスは車が一番だろう。

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 これだけ写実に拘って絵画を収集すると「保木美術館」が出来てしまう。というか、こうやって公開してくれることは有難いことだと思う。

 

 写実、洋画というテーマでわざわざ土気まで足を運ぶ気にはなれないかも知れないが、この美術館は一見に値する。

 写実技法に、それぞれの作家で違いはあるものの、どれを見ても凄い。

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 風景、静物、人物と作家の好みがあるようで、グラスの質感、レモンの瑞々しさ、人物の存在感等々感心しきり!

 

 号数の大きいものが多いのだが、近寄ると精細感が欠けるが少し離れるとぐっと質感の増すもの、どこまでも精細で髪の毛一本一本に至るまで実物そっくりに描写されているものと大きく二つに分かれる。

 特に入り口近くの生島浩・島村信之画伯の作品は超精細派で、それに見慣れると後の中山忠彦・森本草介画伯の作品ですら粗いと感じてしまう。

 高画素のデジタルカメラで撮影して引き伸ばしたら、これだけの質感が出るものか?と思ってしまうほどリアルである。

 

 この美術館、造りも拘っている。

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 入り口正面の小さな穴、それぞれに鍵が付いている。

 実はここに傘を挿し込む!

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 弓状のギャラリーを二つ向い合せにしたような造りで、先端はオバーハングしている。このスグ左手には昭和の森の杉林がある。

 

 印象派の絵画以来、絵とは写実ではなくモヤモヤっとした中に内面、感情を読み取るのがイイのだと思っていたが、超写実という中に更に内面の奥深さを感じた。

 写真とは違う立体感、最も良い採光、話しかけてくるようなリアル感、それらは絵画だから出来たのかも知れない。とにかく「凄い!」