この本を読んでトルコという国の凄さを改めて認識した。
今でこそ新興国としてこれからの発展が期待されているが、かつてはまさに世界の中心として栄えていた。
現在のアヤソフィアは西暦562年に再建築されたものでドーム直径は31m、1000年後オスマントルコのスレイマン大帝からシナンにそれを超えるものを造れと云われても、どうしても出来ないと固辞した、それほどまでに計算尽くされたギリギリの大きさのドームであった。
自分がトルコ旅行に行った時、確かにアヤソフィアもブルーモスクも訪れた。だがタイルやモザイク、ステンドグラスに目がいって、それが世界最大を誇ってきたという歴史は知らなかった。
「シナン」を読んでいたら、きっとジャーミーを見る目は違っていただろう。
これは文庫本の巻頭にある地図、オスマン帝国がどれほどの権勢を誇っていたかというもの、
イスタンブール旧市街の中にはシナンが造ったジャーミーが4つもある。TV放送の中でも紹介されていたスレイマン大帝の為に造った「スレイマニエ・ジャーミー」には、きっとシナンの念願でもある神が宿っていることだろう。