"月と地震の関係”

 今朝ほどの下から突き上げるような地震には、咄嗟に身構えたがスグに納まって安堵した。
 震源地はどうやら直下だったようだ。

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 この地震の影響か、「月と地震」という話題が気になった。
 たまたま、同時に二つの記事がある。
 
 一つは、共同通信が発信した”月の引力、大地震と関係か 東京大、小さな力が一押し”
  
 ”月の引力によって海の水位が変わるように、地面の中の圧力にも変化が起きる。この変化は地震によって解放されるエネルギーと比べると非常に小さいが、大地震へ進展する一押しとなり得る”として、東日本大震災を例に英科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に発表したという。
 
 その”Nature Geoscience”の掲載ページはこちら、
 
 英語なのだが、文章が短く云っていることは共同通信の記事どおり、
 
 これと同じような、”月と地震”の関係について触れた記事がNIKKEIに出ていた。
 ”細野透:「月と地震」のミステリアスな関係─月は地球震動のトリガーとなり、地球は月震動の原動力になる”
 
 出所が上の東大チームと同じかどうか分からないが、コチラは防災科学技術研究所の研究員、田中佐千子氏を中心にした一連の研究を基としている。
 まずこのグラフ、スマトラ沖地震と東北沖地震東日本大震災)の地球潮汐地震発生時刻との相関関係を示したもの。

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” 地球潮汐地震発生時刻の相関関係。横軸は地震発生時刻(年単位)で、縦軸は相関関係の強弱を表す指標p。pは0~100%の値で、0%に近い(縦軸の下側)ほど相関関係が強く、逆に100%に近い(縦軸の上側)ほど相関関係が弱くなる。

 スマトラ沖地震  
  1976年から1995年頃まで、pは100%に近い値で、地球潮汐の影響はなかった。しかし、1955年頃からpの値が徐々に低下。スマトラ沖地震の直前には、地球潮汐地震発生時刻に明確な相関関係が存在していた。
 そして、スマトラ沖地震の後、pは再び大きくなり、相関が低い状態へと戻っている。
 東北沖地震
   1976年以降、pは100%に近い値をとり、相関関係は見られなかった。しかし、2000年頃からpの値は徐々に低下し、東北沖地震の直前には極めて強い相関関係が存在していた。東北沖地震の発生後には、pは再び大きくなって、相関が弱い状態に戻っている。”
 
 というように、所謂歪が溜まってくると月の潮汐力の影響を受けやすくなり、やがて大地震につながるという実績だ。歪が解消されると影響を受けにくくなっている。
 
 同様に東北沖地震のこの棒グラフ、
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” 地球潮汐地震発生時刻の関係。東北沖地震直前の3000日間の発生頻度を調べた。縦軸は発生頻度。横軸は、地球潮汐による力の変化の1周期分に対応し、地震発生時刻の力の大きさを示している。1周期は24.9時間。
 地球潮汐による力が大きくなって、断層の滑りを促進する方向に最も強く働く時刻(赤▲)の前後に、地震が数多く発生する傾向が見られた。 ”
 
 かなり長期間に亘って、大地震への月の及ぼす影響を分析している。
 かなり相関があるように思える。
  
 では、これを予知に持って行けるのか?
 とりわけ東南海沖の、地震発生と月のこれまでの相関関係はどう推移しているのだろうか?
 スマトラ沖、東北沖のように、徐々に相関が高まっている兆候があるなら、公表すべきなのでは?