エボラ出血熱の脅威

 ついつい遠いアフリカの話と思ってしまうのだが、航空機の発達という拡散の危機は防ぎようがない。
 これに関する分かりやすい記事が出ていた。
   
  その記事も踏まえ、
  
 まず何よりも困るのが、今回の集中発生地域西アフリカにはエボラ出血熱への対処法の経験がないこと。特に死者へのお別れに身体を触ることが習わしとなっていることは、それがエボラ出血熱起源であれば致命的だろう。それに何よりも隔離することが大事なのに、家族が隠す、逃げ出す、呪術師に頼るといった病気に対する理解不足が拡散を防ぎきれないでいるようだ。
      
 血液や体液から感染するということだが、エボラ出血熱に限っては汗からも感染するという。それに潜伏期が長くて3週間、その間は感染しないとしても気づいた時は手遅れ、特にエボラウイルス感染に特異的な症状はなく、発熱、悪寒、筋肉痛、食欲低下といったインフルエンザのような症状から始まるので、別の病気と誤診される可能性がある。
   
 更に困ったことには治療法が確立していないこと。
 先日記述した富山化学工業の「アビガン(一般名・ファビピラビル)」がサルの実験では有効とされてはいるものの、人間への適用にはWHOも躊躇しているようだ。
  
 この記事では日本にも感染者の飛来の可能性はあるが、アウトブレイクには至らないだろうとしている。それは、
  「38.3℃以上の発熱」+「西アフリカ(ギニアシエラレオネリベリア、ナイジェリア)への渡航歴」+「エボラウイルス感染者との接触歴」があった場合には、指定医療機関に入院させるという感染症法第一類の指定があるからとされている。
 ただ、それは平常時の場合、今回のように急拡大している状況では、西アフリカ、エボラウイルス感染者との接触という二つのキーワードが通用しないケースが出てくる危険性がある。
   
  これは1976年以降のエボラ出血熱の発生地域と件数、いかに今回の拡散が大きいかが分かる。
   
  再度の記述になるが、日本の治療薬が世界を救うことを期待したい!!!!!