遠く、飛行船がゆったりと、
飛行船はALICOの宣伝で、土手散歩の最中、千葉県、東京都の空を徘徊していた。
市川橋から数キロのところにある柴又の寅さん記念館のスグ北側に山本邸という旧宅があるのだが、そのお庭で個人的に今年一番色付いたもみじを拝見した。
大正から昭和にかけて作られた邸宅で、葛飾区の観光サイトには「昭和初期における庭園様式を現在まで残した稀有の例で、同様の例は旧安田邸、徳富邸があります。」とある。そのお庭のメインとなる「もみじ」だろう。
庭を抜けると帝釈天の東側に出るので、塀伝いに西に行くと境内に入れる。
本堂の裏手の彫刻はガラスで覆われているので、参内しないと見られないのだが、本堂そのものを覆う訳にもいかないので、見事な彫りの一端が覗える。
正面の上には天女が松の間から見える。
山本邸から帝釈天に入るとついつい逆コースになってしまうのだが、山門を出て参道にある名物の「草だんご」を求めることに、
北総線の線路、水門を過ぎて里見公園の近くまで来たところで、飛行船が頭上を通り抜けて行った。
そしてこの辺りこそ、自分が確信している土手、
東山魁夷はよく江戸川にスケッチに来ていたという。この「道」という作品は色々なスケッチを基に描かれた心象風景だが、自分はここがその原点であると思っている。
残念ながら土手の上が舗装されてしまって絵のような雰囲気ではないのだが、かつてこの土手は未舗装で、この絵と同じように両脇に草が茂り、土手の斜面はもう少し急峻だった。そしてほとんど人通りは無かった。
この風景を確認できたので、この場所で先ほど買った草だんごを、スカイツリー、飛行船を眺めながら頂くことにした。
だんごの大きさが他のお店よりかなり大きい割りに餡子が少なめかなとも思ったが、食べてみるとヨモギの香りがかなり強く、甘さ加減からこの量の餡がピッタリだった。
かなり具だくさんの散歩になった。