江戸川散歩  魁夷「道」の原点?

 穏やかな天気に、江戸川の堤を市川橋から柴又帝釈天矢切の渡しを経て市川橋に戻る周遊散歩を、
  
 遠く、飛行船がゆったりと、
  
イメージ 1
 
 飛行船はALICOの宣伝で、土手散歩の最中、千葉県、東京都の空を徘徊していた。
 市川橋から数キロのところにある柴又の寅さん記念館のスグ北側に山本邸という旧宅があるのだが、そのお庭で個人的に今年一番色付いたもみじを拝見した。
 
イメージ 2
 
 大正から昭和にかけて作られた邸宅で、葛飾区の観光サイトには「昭和初期における庭園様式を現在まで残した稀有の例で、同様の例は旧安田邸、徳富邸があります。」とある。そのお庭のメインとなる「もみじ」だろう。
 庭を抜けると帝釈天の東側に出るので、塀伝いに西に行くと境内に入れる。
 
イメージ 3
 
 本堂の裏手の彫刻はガラスで覆われているので、参内しないと見られないのだが、本堂そのものを覆う訳にもいかないので、見事な彫りの一端が覗える。
 正面の上には天女が松の間から見える。
 
イメージ 4
 
 山本邸から帝釈天に入るとついつい逆コースになってしまうのだが、山門を出て参道にある名物の「草だんご」を求めることに、
 
イメージ 5
 
 有名な高木屋とかとら屋とか、草だんごを売っている店は幾つかあるのだが、その中でも最もだんごのよもぎ色が濃い吉野家の草だんご(8個入り420円)を買うことにした。だんごに付けてもらうようじを2本にしてもらって、
 
 再び土手に戻り、そのまま川辺まで、ここは江戸時代から続く「矢切の渡し」、大人片道200円で江戸川の向こう岸、矢切ネギの産地に渡してくれる。
 
イメージ 6
 
 満潮で穏やかな風に波も立たず、江戸川の川面はまるで池のよう。手漕ぎ船は音も立てずにゆっくりと、たまに傾きつつ進んでくれる。
 
 土手から臨むスカイツリー
 ちょうど飛行船が横切った!
  
イメージ 7
 
 飛行船、水上スキースカイツリーの3ショットを、
 
イメージ 8
 
 水上スキーはちょうどボートの波をジャンプして越えるところ、飛行船は右上でかなり小さいが、
 
 北総線が出来たことにより、江戸川の土手からの眺めはかなり人工的ものに変貌してしまった。
 
イメージ 9
 
 国府台の森の上に緑の頭を出す「栗山配水塔」、1937年竣工の歴史的建造物だが現在も現役というから大したものだ!
 下を水色の北総線の電車が抜けて行った。
  
 北総線の線路、水門を過ぎて里見公園の近くまで来たところで、飛行船が頭上を通り抜けて行った。
 
イメージ 10
 
 メットライフ アリコの文字も良く見えるが、この飛行船のパイロットはスヌーピーだった!
 
 そしてこの辺りこそ、自分が確信している土手、
 
イメージ 11
  
 東山魁夷はよく江戸川にスケッチに来ていたという。この「道」という作品は色々なスケッチを基に描かれた心象風景だが、自分はここがその原点であると思っている。
 残念ながら土手の上が舗装されてしまって絵のような雰囲気ではないのだが、かつてこの土手は未舗装で、この絵と同じように両脇に草が茂り、土手の斜面はもう少し急峻だった。そしてほとんど人通りは無かった。
 
 この風景を確認できたので、この場所で先ほど買った草だんごを、スカイツリー、飛行船を眺めながら頂くことにした。
 だんごの大きさが他のお店よりかなり大きい割りに餡子が少なめかなとも思ったが、食べてみるとヨモギの香りがかなり強く、甘さ加減からこの量の餡がピッタリだった。
 
 かなり具だくさんの散歩になった。