映画「マダム・マロリーと魔法のスパイス」 5

 「マダム・マロリーと魔法のスパイス」という題名を見て、しかもパッケージのヘレン・ミレンの顔写真とくれば、マダム・マロリーの物語だと思う。
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 確かにヘレン・ミレン惹かれて、そしてウォルト・ディズニー作品という安心感も加えて、インド映画的かなという期待感も調味料に、料理の映画だなと思う。

 ムンバイの料理店を焼き打ちで追い出され、ヒースロー空港近辺の家も捨て、ヨーロッパへ、
 ドロミテのマッダレーナ村が最初に登場し、俄然見入ってしまったが、落ちつく先は無き母の導きかフランスの田舎村、旬の食材の新鮮さ、燃えたムンバイのお店に似た廃墟と化したレストラン跡地に引き寄せられてしまったのが、マダム・マロリーのミシュラン一つ星のフレンチレストランの向かいだった。距離にして30m=原題”THE HUNDRED-FOOT JOURNEY” この100歩を踏み出せるかどうかというのが、この映画の主題でもある。
 
 今、「まれ」、「天皇の料理番」と料理番組が多いが、この映画は2014年に公開されているので先輩!
 
 スピルバーグが製作に関わっているが、原作が映画に向くかどうかの選択眼は流石だ。
 ヘレン・ミレンが出演していなかったら、映画の看板を見ても見る気にならなかったかもしれない。実はあとの出演者は正直自分には馴染みがない。でも、見終わって、確かに美味しい料理が食べたくなるし、本当に気持ちが温まる。どこにスパイスが効いていたのか分からないが、印象に残る映画である。
 地味な映画であるがイイ映画である。こういうのを佳作というのだろう。「