”ビッグゲーム”の意味が二重に使われている。
主役は、13歳の誕生日をまさに迎えんとするオスカリ少年と米国大統領、
フィンランドの狩人の伝統儀式として、13歳を迎える日、一人だけで森のなかで一昼夜を過ごし、「一人前の男」として認められるに相応しい大きな獲物を仕留めること、これがオスカリ少年の一生に一度の晴れ舞台でもある。これが一つ目のビッグゲーム、
まず、大人たちの前で弓を力いっぱいに引く、そこから儀式が始まるハズだった。でも、
とに角ひ弱、自分でも自信が無いうえに、村人たちも、父親でさえも心配している。
この大統領を誘拐しようと企む陰謀が、もうひとつの”Big Game”、
あのサミュエル・L・ジャクソンがこんなにも弱いとは、
弓に矢を番えても、5~6m先にも飛ばせない少年が、父親に教えられたヘラジカの大物が潜んでいる場所に行ったところでどうなるものでもないと思っていたら、
ここは父親の愛情の世界、ひょっとするとこの父親すらその父親の愛情に助けられたのか、あるいは代々村人たちはそうしてきたのか、
まぁ、ついつい笑ってしまう。
獲物を仕留めるべき武器は弓矢、それでいて森の中にはエンジン付き三輪車に寝泊り一式の装備を台車に載せて牽引しながら山を登っていくし、
大統領の権威も一向に気にしない少年の行動、
温かい目で見守りつつ、少年の一昼夜での成長ぶりを喜劇的アクションとして、全てにおけるユーモアを楽しみながら見るにはイイ映画だ!「4」