津波想定の怪

 「東電、震災4日前に10メートル超の津波想定」、今夜のニュースで報道されていたが、これまで東電は今回の大津波を「想定外」と繰り返してきた。
 でも、その東電が「福島第1原発の5~6号機で10.2メートル、防波堤南側で15.7メートル」を想定し、しかも保安院に報告していたという。
 
 それを今になって保安院が事実を公表するというのは、真に以って呆れるばかりだ。何が真実なのかさっぱり分からない。
 穿った見方をすれば、「4日前の想定」ということ自体事実なのかと疑ってしまう。
 というのは、「保安院は東電に対し、試算結果を反映した耐震安全性評価報告書を提出し、早期に設備の改修などの対策をとるよう口頭で指導した。」としている。届け出を受けた監督官庁が中身を精査もせず、ただ報告を受けただけで口頭指導するものだろうか?なんとなく責任回避的に聞こえるのだが、
 更には、東電も「大津波は想定していた。その為の改修も計画していたが、その余裕もなく実際に見舞われてしまった。」と開き直る布石なのだろうか?
 
 いずれにしても、このタイミングで、全てを報告するはずだったIAEAにも報告しなかった『事実』が出てくることに奇異を感じる。