たまたま緑を求めて新宿御苑へ出かけた。
そこはそれはそれは見事な八重桜の饗宴だった。これほどまでに綺麗だとは思ってもみなかった。
八重桜は大阪天満の造幣局の通り抜けが有名だが、行列を作って並木道を歩いて眺めた桜と、広い緑の原と調和した自由に伸びきった御苑の桜では趣が全く異なる。
新宿門から入ってしばらく行くと「ゆりの木」と「メタセコイア」の巨木が八重桜を従えて聳え立っていた。
まず目についたのが黄色がかった花にピンクが混じっている控えめな落ち着いた色合いの「鬱金(うこん)」
その後に出てきたのが、左から「一葉」(緑葉+ピンク花)、「普賢象」(赤葉+ピンク花)、「関山」(赤葉+桃花)
「松月」という白っぽい小振りの八重桜を見ていたら、ボランティアで桜の紹介をしている方が色々と桜の見分け方、御苑にある珍しい桜を教えてくれた。
2月下旬から寒緋桜が咲き始め、5月上旬の太田桜で終わるそうだ。
オリエンテーリングよろしく御苑の地図を片手に、貴重種さがしへ、
まず、西の外れに向かって「八重紅枝垂れ」、隣に「駿河台匂」、囲いがあって近づけない。
でも中央休憩所のすぐ南にとても良い香りのする「駿河台匂」があった。匂いスミレのような甘い芳香だ。
その東方向に「御衣黄」(ぎょいこう)があり、その珍しさに人が集まっていた。
池沿いに更に東に進むと「梅護寺数珠掛桜」、「福禄寿」、
場所を変えたところにも満開の「福禄寿」の大木が、
「福禄寿」の特徴は花弁が渦を巻いたように密集していることにあるそうだ。
その近くに「兼六園菊桜」があることになっているのだが、「一葉」の札しか掛っていない。「間違えて付けてあることもあるので信用しすぎないで!」とはボランティアの方の弁、
絶好の天気に恵まれ、これほど桜に興味を持ち探し歩いたのも初めてであった。
新宿御苑には何度も行っているが、今回のタイミングがこれまでの中で一番良かった。それほどに八重桜は見事だった!