映画「風に立つライオン」 泣くのは承知の上で

 CD「夢回帰線」の中で初めて知った「風に立つライオン」、歌詞から思い起こされる雄大なアフリカの光景、ちょうど今の時期の「千鳥が淵の桜」、
 ストーリーの詳細は分かっていなくても、この映画を見て泣くであろうことは想像に難くなかった。あの主題歌が流れたら、尚更!
 
 3.11直後の津波で荒れ果てた街を歩くアフリカン、雪がパラつく中ポケットから取り出したトウモロコシの種を握り締めるところから映画が始まる。
 うぅ~ん、どういうこと?と意表を衝かれた出だしだ。それがストーリーと大いに関係していることは、終わり近くなって初めて分かる。
 
 当然キリマンジャロ山やフラミンゴが飛び立つさまが出て来るものだと期待したが、
 
 今の時期、アフリカもそうだが悲惨な戦闘が各地で起こっている。そこに子どもたちが駆り出され犠牲となっている現実とも重なって、この映画で扱われる内容も相当に重たい。
 それだけに涙の意味も悲しい。現実はもっと凄まじいものだろうが、
 
 一気に見終わるのではなく、相当に時間を感じる映画であった。(139分) 「