こう書かれれば気になる”最高の幸せを感じる「究極の年収」”

 そうかなぁ?というのが率直な感想だが、
 東洋経済ONLINE
 "最高の幸せを感じる「究極の年収」はいくらか 報酬とサラリーマンの「やる気」の意外な関係

 まず「やる気」の源は次の5つ、その内報酬の果たす役割は?という分析だ。
  1 キャリアの機会
  2 報酬
  3 会社からの評価
  4 会社の評判
  5 ブランド価値
 
 プリンストン大学エコノミスト、アンガス・ディートン教授のいうアメリカ人の「究極の年収額」は、年額7万5000ドル(約862万円)、
 これに対して実態は25歳以上の年間平均収入は3万2140ドル(約369万円)、7万5000ドル以上は全体の12%弱、
 そして面白いのは”人はこの7万5000ドルに達するまでは、報酬が増えれば増えるほど日々感じる幸福感が増すが、その額に達すると幸福感は増えない”ということ!?
  
 一方日本では、国税庁のデータらしいが、
 2014年の日本人の年間の平均年収は415万円、800万円以上は男性で約13%、女性が2%未満、
 アメリカとそう変わらないと思うが、果たして幸福感は約800万円を峠とするものだろうか?
  
 この記事でも”より多くの報酬は自分の人生に対するもっと大局的な満足感を高める効果はある”と
書いているように、多いに越したことはないように思う。
 
 ただ、「報酬」と「仕事の満足度」の関連性は薄いという研究結果にはある程度納得する。
 すなわち、

・面白いと思う仕事をする時は報酬の増加は逆にやる気をそぐ。逆に面白くない仕事をする時には報酬の増加は働くインセンティブになる。
 
・自分が心からやりたいと思う気持ちなど内なる動機は、報酬などの外部的動機の3倍のエンゲージメントをもたらす。つまり、仕事自体を楽しめれば、もっと仕事が好きになり、報酬にばかりこだわれば、仕事を楽しめなくなる。
 
 まぁ自身を考えてみて、面白いと思う仕事をしていて、その上報酬が増えて来たら”やる気”が失せるとはとうてい思えないが、アメリカ人は違うのかな?

 また、このダン・アリエリー(米デューク大学行動経済学教授)の論も理解できる。

 「(仕事に)意義のある状況」の人の方が「(結局無駄に終わる)徒労の状況」にある人より生産性が高くなり、仕事の成果をきっちりと「認識」してもらった場合にモチベーションは簡単に上がり、無視されただけで、モチベーションは驚くほどたやすく砕け散る。
 
 まとめようがないのだが、
 仕事への満足度と、7万5000ドルが究極の峠とはどうしても結びつかない。
 企業側がサラリーマンの報酬に対して単に上限を設定しているだけでは無いのだろうか!