脂肪にまつわる記事 二つ

 一つ目は、おなじみ医学博士・大西睦子さんの『ダイエットで減った脂肪はどこへいく?』
 
  答えは   C55H104O6(トリグリセリド分子)+78O→  55CO2+52H2O+energy
 
  ということで、二酸化炭素と水分に分解されて、体外に出ていく。
 驚いたのはその割合、仮に10Kgの脂肪が分解されるには29Kgの酸素が必要で、脂肪の84%は二酸化炭素28Kgとなって肺から呼吸で、残り16%は水分として11Kgが尿、汗、涙、または他の体液などを経由して排出されるとのことだ。
 しかも、1Kgの体脂肪を減らそうと思ったら、1時間のジョギングが月21回必要(150~200km走るのに相当)、とてもやってられない。
 ということは、無駄なエネルギーと取り込まない食事をした方がよっぽど効率的である。
    
 そこで二つ目は、@DIMEの「油抜きダイエット」は要注意!体によい油と悪い油の違いとは」
          http://dime.jp/genre/174155/
  
  単に脂肪だけを摂らないようにすることは逆に身体に良くない。良い油とそうでない油を見分けて摂るようにということだ。
 ここで出て来る区分が、「飽和脂肪酸不飽和脂肪酸」、一方先日取り上げたココナッツオイルの区分は「中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸」、脂肪の区分は色々と複雑なよう、混乱してしまう。
   
 そもそも、どうして脂肪と脂肪酸という言い分けるのか?
 あるサイトによれば
   
  『油脂の化学上の正式名称はトリアシルグリセロールといい、三つ(トリ)の脂肪酸(アシル)と一つのグリセロールで構成されます。脂肪酸とは、炭素(C)が鎖状に長くつながったもの(通常4~22個)にそれぞれ水素(H)が結合し、末端にカルボキシル基(-COOH)が付いた物質の総称で、多くの種類があります。脂肪酸の融点は、一般に炭素数が多いほど高く、同じ炭素数ならば二重結合の数が多いほど低くなります。』
    
  幾つかの脂肪酸が組み合わさって脂肪が出来上がっているらしい。
 その脂肪酸飽和脂肪酸が多いか不飽和脂肪酸が多いかなどによって、脂肪の溶融点も変わってくる、
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  これは融点の異なる脂肪酸の構成によるのだが、その構成も表になっている。
     
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  この表は、よく油を飽和脂肪酸不飽和脂肪酸で0か1かで分類しがちだが、アナログの世界であるということも教えてくれる。
 @DIMEの記事では、バター、肉類は飽和脂肪酸に分類されているが、必ずしもそうは言い切れないことが分かる。(因みに記事の中で オメガ3(多価飽和脂肪酸)と記述しているのは不飽和の間違いだろう)
 牛脂でも40.7%のオレイン酸を含んでいる。口の中でとろけてしまう和牛はもっと不飽和脂肪酸が多いのだろうか?
      
 では中鎖脂肪酸という括りはどうして生じるのか、
 これもあるサイトから
      
 『脂肪酸の基本的な化学構造は炭素と水素を抱えるもので、炭素数が2から6のものを短鎖脂肪酸、8から10のものを中鎖脂肪酸中性脂肪またはトリグリセリドとも言う)、12以上のものを長鎖脂肪酸と言う。』
           
  両方の区分をまとめた表もあったので、
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 炭素結合が短い分、 中鎖脂肪酸の方が分解・吸収も速い。ココナッツオイルにはカプリル酸が含まれているとのことだ。
     
 脂肪の中には、炭素数・二重結合の多少によって幾つにも分類された脂肪酸が複雑に組み合わさって入っている。
 これまでTV,ラジオ、雑誌などでアレがいい、コレがいいと云われて、油の善玉・悪玉を決めつけていたように思うのだが、一概にそうとは言い切れないような気がする。
      
 ココナッツオイルとEPA・DHAは摂り続けているが、